三重弁護士会館
- FULL POWER STUDIO
- 2021年11月1日
- 読了時間: 3分
更新日:5月30日
会計事務所の本社建替え計画。セキュリティや秘匿性と、活発で創発的なオープンなオフィスという相反する要望を、スキップフロアのレベル差とアダプティブな機能配置によって面積を抑えながら実現した。雪の多い計画地で南側への建物配置が制限されていたため、建物北側に極力太陽光を取り込み、融雪を促すサステナブルな解決を図り、大開口から内部を見せつつ、夏の西日をカットし、冬の雪をガラス面に寄せ付けない屋根形状と深い庇を計画した。螺旋状の内部と外部環境に呼応したユニークな形状によって地域のランドマークとなる建築となった。

三重弁護士会館
受賞
愛知建築士事務所協会建築賞 受賞
所在地
三重県津市
主要用途
事務所
建主
三重弁護士会
意匠設計
FULL POWER STUDIO
構造
建築構造研究所
設備設計
建築設備計画
施工
清水建設
規模
敷地面積 841.29㎡
建築面積 535.50㎡
延床面積 1034.20㎡
建蔽率 63.65%(許容:90%)
容積率 101.61%(許容:300%)
階数 地上2階
Photo
新名清
知の記憶と会員の想いが表出する新たなまちのランドマーク
計画地は、官庁街かつ歴史的景観地区・津城二の丸に位置する。会員数増加と市民サービス多様化に対応する新たな会館が求められた。市民の駆け込み寺として、気軽に立ち寄りやすい開かれた場が求められる一方、プライバシー配慮、そして会員の自己研鑽交流の場としての落ち着いた設えが求められた。
そこで、1階のアプローチ部分は開放的な設えとしつつ、1・2階の活動諸室を、クロスメッシュルーバーにより、人影が感じられる程度の半開放なファサードデザインとした。
これらの外観イメージは、会員による地域らしさを形にするワークショッブで抽出選定された。津城石垣のシルエット「台形ファサード」、三重県5地区の会員の交流の場と、公平性の象徴としての天秤イメージ「5つの山形構造柱」、そして三重の伝統工芸組子「格子スクリーン」。これらを、合理的なV型RCブレース柱構造や、年間を通し建物への負荷を低減するクロスメッシュルーバー等で実現することで、「地の記憶」と「建築機能」を兼ね備えるエモーショナルな風景を創出した。








写真説明左から)
様々な写真から三重らしさを抽出したワークショップの様子
三重弁護士会らしさや空間の使い方の意見を共有するワークショップの様子
